6月から始まったワールドカップもこの間フランスの優勝で終わりました。グループリーグの途中から見疲れてしまい、結果だけを朝見るということをしていました。クロアチアの人たちに軟弱者と怒られますね。
クロアチア良かったです。決勝トーナメントの戦いぶりが。
決勝まで行くだろうなと思ってましたが、もっと楽に勝ち上がると思っていました。
それが延長戦、延長戦、延長戦で3試合やりましたけど、計算すれば、4試合やったことになって、体力気力を超えたところでのPK勝ち上がりも、死力を尽くしての延長戦の逆転劇も、それはスポーツを超えていて、ラキティッチがイングランドの選手と胸ぐらつかみあったり、マンジュキッチのゴールセレモニーに巻き込まれたカメラマンを気づかったり、人間性も垣間見えるあたりが、まさにワールドカップの醍醐味でした。
ワールドカップで見れるサッカーは、ヨーロッパチャンピオンズリーグみたいに洗練されていません。即興でやってる裸のサッカーです。
世界最高峰の選手たちが体力気力の限界を超えたところで、ただサッカーに勝ちたいとハイレベルな技術、個人戦術をぶつけ合う時の爆発力が、サッカーの魅力をそのままに見せつけていて、その熱風が世界中をかけ抜けてワールドカップに注目が集まるんだと思います。
サッカー始めたばかりの子供もボール蹴っ飛ばして、ただ点取りたくて走り回ってるだけですね。どっちも一生懸命で共通点があるような気がします。
日本代表の話をするとワールドカップ始まる前は、批判が集中していました。それがコロンビア戦に勝つと手のひら返しと言われるように応援モードになっていって、ベスト16で無残な負け方をしたにも関わらず、成田空港に一般人も報道もたくさん来て、優勝して帰ってきたような扱いでした。
ツイッターの投稿なんかで、「日本勝った。」「悪口言ってごめんね。」とか、「おめでとう。おかえりなさい。」みたいなワードが先行して広がって、そこにネットを中心としてメディアが「手のひら返し」というようなワードが広がっていきます。選手もツイッターをうまく使っていた印象ですね。SNSでバズを起こすっていうのは全部マーケティングですけどね。サッカーとは関係ないです。自分繕いです。
私が思うのは、日本対コロンビア戦をテレビ越しに見て、自分たちがしていた代表批判はちっぽけなことだったんだと気づいただけなんだと思います。
サッカーワールドカップが始まって、いざ試合を見てみるとその迫力と熱量が、たかがサッカーと代表批判をネタにしてバズ起こしに一生懸命になっていた人と、バズが自分の考えと思っていた人のサッカー観を軽く超えていったんだと思います。
サッカーはよく分からなくても、さあこれからサッカーが始まるよと、緑のピッチの上に両国の国旗が広がって、入場の時の「Seven nation Army」に合わせて地鳴りのように響く掛け声が耳にこびりついて、ボール追っかけて走っている青と黄色の集団と、スタジアムで立ち上がって応援している人たちの一喜一憂をテレビ越しで見て、なんか衝動に駆られるような大きなことが起きているぞと。
そして日本が試合に勝って嬉しい。けど、それを表現するとツイッターで「勝った。うれしい。やったね。」になったと勝手に思っています。
時代とは思いますが、バズだったりインスタ映えだったり、オンラインの共感の広がりが先行していって、日本代表への関心に温度差があったような、ベスト16まで進んで日本がひとつになるような雰囲気はなかったと感じました。
2002年の日韓ワールドカップのような国全体の一体感はなくて、2010年の時のようにサッカースタイルが議論されることもない。
日本代表の試合見て、「いいね」か「いいねしないか」ということは盛り上がったかなと思います。日本代表がSNSの対象として加速した感じがします。
これまでは、「今日、テレビでサッカーやるぞー。」と言えば、それは日本代表のサッカーという関心の持ち方の人が多かったように思います。
けど、日本代表じゃなくてもいいや。ベスト8に残ったような国、日本と対戦したベルギーや、フランス、クロアチアの主力がいるプレミアリーグ、リーガエスパニョーラがサッカーだとして見る人。
近場でサッカー見れるじゃないか。イニエスタ、フェルナンド・トーレスが来て注目されてるしJリーグを見に行ってみようという人。
日本で言うサッカー=日本代表という観念に変化があったような気がします。今までは日本代表が1番人気でしたが、上の3つのうち、日本代表派とヨーロッパサッカー派、次いでJリーグ派の3つに分かれるような気がします。
ただ、トータルで考えるとサッカー面白い見ようっと!という人が少しは広がったのかなと感じています。個人的にはJリーグ見に行く人が増えて欲しいと思います。