たー君に今回の高校サッカー選手権で凄かったと思う選手を聞きました。
少し考えた後に、
「何が凄かった?」
「切り返し!!!」
青森山田高校のバスケス・バイロン選手は一躍有名になりました。
キレのある切り返しの威力に決勝戦の大観衆も釘づけになっていたような感じを受けました。
切り返しって守っている方は嫌です。足を使わされて疲れます。だから抜かれると追いかけたくない。
最近の少年サッカーを見ているとドリブルの練習とか、ボールタッチの練習とかを通して見栄えのする難度の高いフェイントが必要不可欠という思い込みがあるような気がします。
それに対して切り返しというフェイントはとっても古典的で簡単です。
その昔、ACミランにファン・バステン、ルート・フリット、ライカ―ルトというオランダ人の選手がいました。
トヨタカップ(今のクラブワールドカップ)という大会が日本で開かれた時に、ファン・バステンが切り返しからのシュート打って、ゴールにつながったのですが、この切り返しがとても深いです。3mぐらい切り返したように見えました。相手DFの動きが止まります。
子供だった私はテレビ見ているだけなのに急停止する切り返しに合わせて体がグラグラ揺れました。
そして、フリットはシザースシザース→キックフェイント+切り返しからクロスボールを上げて同じくオランダ人のライカ―ルトという選手のダイビングヘッドをアシストしました。
このシーンの実況は、
「フリッ!(フリット)、フリッ!(フリット)・・・ライカ―ルト!!ゴ――――ル!!!」
という感じで小学生の私も大興奮。
ドリブル、パス、シュートが緩急長短織り交ざって早い展開のシーンに「サッカーってこんなにスゲーんだ。」と衝撃を受けました。
なんとなくサッカーしていた私は、これを境にサッカーへの意識が高くなりましたね。
バスケス・バイロン選手も切り返しだけでなくてキックフェイントと切り返し、ボディフェイントと切り返しの合わせ技で、これが多彩でした。
私自身有効なフェイントは切り返しとキックフェイントというのは常々思っていて、シザースですら難しいし、難しい割りに相手がひっかからないよなと思っていました。
下手に時間かけて技術難度の高いフェイント覚えるよりも、たー君には切り返しとキックフェイント、ボディフェイントの3つを使いこなせるようになって欲しいなと思います。
トヨタカップの衝撃をきっかけにしてサッカーへの意識が高くなった私が小学生の頃に、「フリッ!(フリット)、フリッ!(フリット)」と言ってシザース、キックフェイント、切り返し、そしてダイビングヘッドを遊びで真似したように、たー君もバスケス・バイロン選手の切り返しを遊び感覚でどんどん真似して欲しいです。