卒業チームの市大会が終わりました。
結果は準決勝でPK で負けて3決は勝って3位でした。
運動神経イマイチで足も遅い子が、市で3位という結果を手にしたことは立派です。
準決勝の相手は格上です。県大会でベスト8狙える力があります。
いかに無失点に抑えるか。
何も言わないでおこうと考えていましたが、親としては勝って欲しい気持ちが抑えられなくて、2日前の晩にたー君と話をしました。
私「準決勝の相手はどんなチーム?」
たー君「うーん?強い」
私「そんなことは分かってる。具体的にどんな風に強いの?」
たー君「速い」
そうです。前線の3人が速くて大きいんです。足元もしっかりしていて、ポジションチェンジして万能に役割を変えてくるので厄介なんです。
「相手の速いFW にスピードに乗せないこと」
与える情報は1個にします。
加えて細かい情報をもうひとつ。
たー君足遅いけど、手で抑えたり、体で抑えたり。追いつかなくてもしつこく追ったりしぶとくやる。相手にリズムを与えない。集中して1試合やり続けること。
以上。
そして、準決勝を本当に無失点に抑えました。
卒業チームのフォーメーションは4-4-2。
2トップが前からプレスをかけていきます。4バック、4人のMFが揃ってスペースを消して、どこにボールが入っても対応できる陣になっています。
攻守の切り替えにメリハリがあって、相手ボールになれば近くの選手が縦をケアしながらすぐにプレスをかけにいきます。
たー君は、厄介な相手FWがオフの動きをいれてゆさぶってきますが、冷静に対応して相手に前を向かせません。
実力が2つも3つも上の相手FWの方がたー君に手を焼いています。
ママが、「GOSスクールに頑張って通って成長したのが分かるね。闘ってる」と言って胸に手をあてていました。
GOSスクールの子は県ベスト4、決勝に進むチームの子が多いので、そのレベルの個のプレーに慣れているように見えます。
11人が連動して、連携した上手な守備網を敷いているわけではありません。
FWから走ってプレスをかけて、フィールド10人がよく走って誰かがボールにプレスをかけて、カバーに入って、スペースを消して味方同士で補完するように走っています。
たー君が、ポジションチェンジを行う相手チームの変則2トップ+トップ下にセンターバックのポジションから釣りだされても、誰かがカバーに入っています。
フィールド10人とGK1人が共通した目的をもって走って、間違っていれば走り直して、泥臭く、よく走って、良い守備をしています。
サッカーはチームスポーツだ。見るのは「個」じゃなくて、「チーム」だ。
見ていて巧さでうならされることはありません。泥臭さに胸が熱くなります。
ピッチから勝つか負けるかのヒリヒリした空気が伝わってきます。
「いいサッカーだ」
と私がボソッと言うと、他のママさんがうんうんとうなづいていました。
相手は個も試合運びも上手いチームです。正直、0-5で負けるかなと思っていました。
それが4分6分ぐらいで拮抗した試合で0-0でした。
たー君はPKを蹴りました。そして止められました。
だけど、予選リーグ2試合、決勝トーナメントと3決の4試合やって、計6試合全部無失点。たー君はセンターバックでフル出場。卒業チームは失点0で大会を終わらせました。
この功績に比べるとPKを止められて決勝に進めなかったことは良いも悪いもありません。
家に帰ってきたたー君は、なんかモソモソしています。
「いいサッカーしてた。胸をはって誇れる3位だ」
と言ったら照れくさそうにしていました。