ホームJ クラブのホームゲームで川崎フロンターレ戦を見てきました。
元々、ホームJ クラブの川崎戦は見たいよねとたー君と話をしていて、当日の雨予報が晴れに変わり、かつ当日券もわずかに残っていたので、自転車乗ってたー君と2人で行ってきました。
私はコロナ禍で3年ぶりのスタジアム。
ホームJ クラブが勝点3取れば、上位陣に食いついていけるので、ホームクラブを全力応援です!
結果は勝点1。
しかし、臨場感あふれる最高のスタジアムで、ヤッパリ川崎のサッカーは素晴らしく、その相手にホームクラブも強みを出して勝ち点3とれたよなと思えるサッカーをしていたので、試合終了後のホームクラブのあいさつにも満腹気分で拍手ができました。
ホームクラブのことはここまでにして、今回はホームゴール裏の上段で観戦したので、川崎サッカーを空の上から全部見えできました。
私が見た川崎サッカーをレポートします。
攻撃時にサイドラインからサイドラインまで幅をとる
川崎が攻撃になると右のサイドラインに人、左のサイドラインに人が立って最大限広がって横幅をとっていました。
例えば右サイドよりにボールがあれば右のサイドラインいっぱいに人が広がりますが、逆サイドの左サイドはサイドラインから離れやや中よりに人が立つもの。川崎ボールになれば、どこにボールがあろうとも両サイドラインに人が立って横幅を最大限とっていました。
タンデム(2人乗り: 2人組)でボールを動かす
中盤は、右サイドに家長、左に宮城、セントラルハーフのチャナティップ、橘田、その後ろにシミッチの5人構成。
シミッチは中盤の底に構えて、他の4人がポジション入れ替わりしながら、川崎は、ボールを持ってる人の横に人が来て横で2人組の関係、あるいは、縦2人組の関係を必ず作って、タンデム(2人組)でボールキープするのが基本。さらにその脇に3人目、4人目が追いこしたり、斜めに裏に走り抜けていく。
いつもタンデムでボールを動かす。ボールを持ってる人が独りにならない。個でどうにかするなんて発想は皆無に見えます。
トライアングル2つ横並び
ポゼッションの基本はトライアングル。そんなことは有名。けど、ボールを前に横にパスで動かせば、人も動くからトライアングルを作り続けるのは簡単ではない。
ホームJ クラブもパス回しでトライアングルを作る。けど、川崎はパス回しをするトライアングルをひとつと、ボールを隣に跳ばすためのトライアングルを作って、トライアングルを横並びに2つ作る。
並列でもうひとつのトライアングルがあるから、パスの出しどころが3つ以上あって、ボールを行ったり来たりさせることができる。ボールを無理に大きく動かさない。
1人でドリブルでサイドを破って、センタリングあげるような場面でも、ドリブルしている選手の縦と横に人が全速力で近づいてトライアングルを作る。
センタリングか、トライアングルのパス交換でペナルティボックスに進入するかの選択があるから、やっかい。敵チームのサポとしては見ていて疲れる。周りのホームサポも、「見てて疲れる」とグチっていました。
やっぱり家長
家長選手はボールをよく持つ、ボールキープをしてじっくり自分のイメージで組み立てたり、フィニッシュに絡んでくる選手。
これが私のイメージ。いやいや、全く間違っていました。
ワンタッチ、2タッチでボールをさばくプレーが圧倒的に多いです。
自分でドリブルしてボールを移動させる距離は少ないです。しかし、ボールを走らせる距離は抜群に多いです。
驚いたのは、フリーランの頻度と距離が非常に多い。ボールがない場所で戦況を分析しながら合理的にすごく走っているように見えました。
他の選手がボールを持つと必ず縦か横に並ぶ。タンデムを一番作る。しかもボールを奪われることがないタンデム。川崎のポゼッションに安定感が出ます。
攻から守の切り替えも速いし頻繁。シミッチがボールに寄せに行けば、挟みに走って体の強い2人でボールを奪ってしまう。そこからタッチ数の少ないプレーでボールをさばくから川崎の守から攻の瞬発力が非常に速いです。
王様だと思っていましたが、献身的です。
献身的で、技術が高くて、体が強くて、味方を見てプレーするタイプでした。とてもやっかい。
YouTube の家長プレー集のイメージでは誤解します。ピッチを上から眺めるように生観戦すると家長選手がよく走る選手だというのがよく分かります。
と、こんな感じ。
付け加えるとシミッチもエグかったです。
後半に川崎のDF 陣側からビルドアップしていくのを真後ろから見れた時に等間隔のトライアングルがきれいにいくつも作っている光景は、「すご」と息を呑みました。
DAZN では決して見れない画です。
ボールを持った人が個で打開して突破口を作っていくのではなくて、ボールを持っていない人がボールから離れてパスのつなぎ先になって突破口をいくつも作っている。
ピッチに川崎の選手が意図を共有して散らばって広がる光景を見て、サッカーの原理原則とはこういうことなんだと思いました。
ジュニアからの育成を考えた時に、海外に出ていくための「個の力」を売り文句にしたスクールが支持を得て個単位で選手を育てきる風潮がありますが、
サッカー的に考えれば、ボールを持っていない他の10人が、ボールから離れてパスのつなぐ先になることを育成していかないと、抜群の運動能力があるわけではない日本人のサッカーがますます世界から離れていくよなと思いました。
そういった内容の警告を日本代表の川崎で育った選手達がしているのも納得できます。
川崎のサッカーを生観戦して、ホームクラブがいつ崩されてもおかしくなくて、本当にどっと疲れましたけど、サッカーの難しさと楽しさを堪能できました。