運動神経中の下の子が少年サッカーするってよ。

小2からサッカーを始めた運動神経イマイチなたー君(中1)の、ジュニアユースでの自然体なフットボールライフのブログ。

子供を豊かに育てるというマーケティングに感じる違和感

 少年サッカーのブログを書いているのですが、ここ最近は、子育てについての記事が続いています。

 ↓のはてなブログを読んでみて、私も子育てしていて田舎の子よりも大都市の近くの子の方が豊かに成長できるよな、けど、違和感あるなとかうっすら感じていたことを改めて認識しました。

p-shirokuma.hatenadiary.com

 

 ブログ記事の終盤には、子育てのアメニティという言葉が出てきます。

 私の子育て環境は、デベロッパーや行政が作った子育てのアメニティが取り揃えられています。

 その場所で子供向けワークショップでも開かれると、子育て世帯が列をなします。その様子は心豊かな体験の争奪戦で、潤いやおだやかさ、心の豊かさと言われるものとは真逆の様相です。

 お目当てのアメニティが近くになければ、ネットで調べるとたくさん出てきます。それを揃える遠い場所まで親子で熱心に通うという家庭もいます。

 大人はその社会経験を活かして、どのアメニティが目に見える成果を出せるのか、アドバンテージを得られるのか、先回りと子育て理論合戦に躍起になって熱を帯びていますが、子供を豊かに育てるというマーケティングに躍らされているようにも見えます。

 

 少年サッカーも子育てのアメニティ化が進んでいると感じます。たー君のサッカークラブ選びの時の加入の決め手は「自転車で通えるから。」です。

 サッカーやらせるなら、自転車かごにサッカーボールつっこんで、暑い日も、寒い日も、風が吹く日も、雨の日も、ひとりで自転車こいで練習に行くことこそが子供の成長(子育て)のアドバンテージになるんだと考えました。

 

 先日、今年2回目のキャンプへ行ってきました。我が家は赤ちゃん連れなので、キャンプ場もよく管理されたところを選んで行っているのですが、そういうところは子供連れ家族が多いです。年頃は未就学ぐらいがとにかく多いです。

 ファミリー向けと言われるキャンプ場はどこもいっぱいで、予約を取るのが3ヵ月前です。「キャンプ好きな人いっぱいいるなぁ。」と思う一方、なんとなく感じるところもあるんですよね。

 キャンプが好きっていうよりも、キャンプ場に行けば外遊びっていうワークショップがたくさんあって、いろいろと良い影響あるよーっていうのを信じる親の気持ちがキャンプ場に漂っているなーと。 

 親の気持ちが子供の気持ちを追い越しちゃって無理に遊ばせよう、感動させようという風景も見えたりします。

 外遊びするのに大人が介入するのはあまりよくないんじゃないかと。大人が近くにいると、トトロも猫バスもまっくろくろすけも見えません。

 子供が体全体で自然と触れ合って、自分で発見して、感動することで生まれる強烈な経験が心を豊かに育むんだと思います。

 

 そもそも、子供連れのキャンプに雑誌記事にあるような親子で心豊かに過ごす時間はほんとにあるのか?忙しすぎだと思います。雨の音を子供と楽しめるような心の余裕は私にはない。 ↓キャンプについて書いた記事

footballhajimel.hatenablog.com

 

 大人が子供の成長のために、自然と触れあうための子育てのアメニティ選び、ワークショップ選びってやると思います。〇〇体験とか、〇〇学校とか。それは子供の心の成長に栄養を与えるために親は子供にやらせるんだけど、思い通りにならないこともあると思います。

 海水浴場の磯場で、ラッシュガード着て、ライフジャケットして、浮き輪して、シュノーケルしてフル装備で泣きながらアクティビティ体験とかしてる子供見ても無理あるよなーと違和感です。

 たー君が未就学の時には、ママの実家の海で、腕につける浮き輪とゴーグルだけという貧弱装備で沖にある浮島まで一緒に泳ぎました。

 それが最も海の深さとか、水量の抵抗とか、潮の動きとか自然そのものが五感で体感できるからです。

 フル装備で泣きじゃくる子の親が、「あの子の方が小さいのに、何もつけないで泳いでいるよ。頑張って泳ごう。」と言ってあやすかたわら、鼻と口で空気いっぱい吸いながら貧弱装備でジャバジャバ泳ぐたー君の姿は対照的でした。 

 貧弱な装備なので、泣いて嫌がれば、それは怖さとか、不安を感じてくれた、自然って大きいんだっていうことが分かってくれたんだろうなという考えでいましたが、私が一緒だったせいか、泣いて嫌がることはありませんでした。

 

 今では、目を離すとゴーグルひとつで沖にある浮島まで泳いで戻ってきます。「シュノーケルは邪魔!」とドヤ顔で言います。

 これは、スイミングという習い事を続けて、自然の海でも泳ぎきる泳力をつけたということもありますが。

 沖から戻ってきて、海からあがるとライフセーバーの人に、「にいちゃん、野生児だな。」と言われてました。

 ライフセーバーの人たちが、「自分たちが子供の頃は当たり前だったけど、今は、田舎は子供が少なくなって、最近はゴーグルひとつで沖まで泳いで帰ってくる子供を見ることが少なくなった。」と言っていました。

 

 沖まで自力で泳いで帰ってくることができて同世代の子供よりもアドバンテージができたとは思っていませんが、小3にして小さい頃から泳いでいるママの実家の海で、行ける範囲で一番遠い場所まで行って自力で戻ってこれるようになったことは、自分が小さい頃に成し遂げたことのひとつとして強烈な記憶になってくれると思います。あのドヤ顔が成果だと思っています。

 

 目に見える成果を出すための理論を持ってアメニティを探し、ワークショップに並ぶ大人からすれば、くだらなくて、逆にそれ違和感あるよということだと思いますが、そういった強烈な記憶をひとつずつ作ることが心の豊かさを育てるのかなと信じています。