駅伝大会が終わった後の話をアップする予定でしたが、駅伝大会直前にたー君の中学校であった講演会の話を書きます。
中学校のサイトにある保護者限定の視聴動画を見ました。
日本代表にもなった元Jリーガーが中学生に向けて語った講演です。
現役の時に私は大好きだった選手です。サッカーに関心のないママも、生き方が奔放で面白いということで興味を持てる数少ないフットボーラーです。
今回、講師になった元J リーガーは、自身はJ クラブのアカデミー(下部組織)で育って、プロになった人です。今はそのJ クラブで普及活動だったり、アカデミー運営、サッカー解説者をして、クラブ内外の育成に携わっています。
ジュニア、ジュニアユース年代にもタメになる講演だったのですが、私が子育てしていて目が覚めるような言葉がこれ、
誰がなんと言おうと君の人生だ。
他人の目は気にせず、自分自身を知ることに目を向けよう。
誰がなんと言おうと子供の人生は子供のものだ、率直にそう思いました。
子供を成長させるなら、大人は介入しない方が良いという本もありますが、その意味をしみじみ感じました。
子育てしていると、子供が成功経験を重ねる、成功を褒めることで自己肯定感が高まると思って、大人の見地から早期教育で成功パターンを練熟させたり、ゴールデンエイジだとか「正解に導くモデル」の情報に当てはめようとしがちです。
幼少期、小学生の間は大人(親)が成功へ導く必要があると思い込んで、ほったらかしにできないです。子供と目標を共有しているつもりであれば、ほったらかしだと大人が夢見ている成功が見れません。
今回の講演を聞いたことによって、全く逆なんだと分かりました。
大人の成功プランで子供に結果が出ても、結果が出たが、それは「言われた通りにうまくできましたの競争に勝っているだけ」だと私は解釈しました。
子供自身がやったようで大人に用意されたプランの上での結果なので、成長と言えるかは怪しいし、自己肯定感が身につくのかも怪しいと反省です。
サッカーが上手くても学校で自信無さそうな子供って見たことありませんか。
逆に、サッカーは雑でミスが多いけど満足そうにしていて、学校では控えめに見えても自信があるのかソツなく過ごす子供もいるよなと思います。
講演の話は、次の「挫折」の話につながっていきます。
多くの人が挫折を経験する。評価されない。否定をされる。悔しい思いをする。学校の先生たちもみんなが経験している。ほとんどの人が成長の中でそう経験する。
失敗や挫折の経験をした時に、次の行動を自分で決める。自分で決めた努力は成功につながらないかもしれない。けど自分を認めることができる。自己肯定感につながる。
親に促されたようにやってみる、先生が用意したようにトライしても、失敗した時、目標としていた結果が出なくても、人の責任にできるから自分に返ってこない。満足感が薄くて、面白くない。
自分の人生だから、自分でトライすることを決めて欲しい。好きなことができるけど、これには責任が伴う。責任を感じると失敗も成長も全部自分に返ってくる。自分のことが分かるようになってくる。
自分の失敗、挫折があっても必ずポジティブな成功がある。失敗と成功を繰り返す中で自信がつけられる。だんだん自分が分かってきて、長所を見つけて、自己肯定感につながっていく。自分の存在価値を認められて満足感を覚える方法を身につけながら、大人に向かって行ける。
質問コーナーも面白かったです。
Q.努力が苦手です。
A.努力はしんどい。結果もすぐには出ない。続かない。けど、失敗の中に小さな成功があるはず。それを自信にしてほしい。嬉しくなるはず。
Q.長所が分からない。
A.中学生。10代はそうだと思う。自分がやってみたいなと思ったことにトライをして欲しい。トライをすることで自分と向き合うことができる。長所を見つける前に、まず自分を知るきっかけを作ってほしい。
Q.サッカー日本代表の試合に出場した時の気持ちを教えて欲しい。
A.特別なことはなにも感じなかった。ユニフォームの胸についている所属クラブのエンブレムが日の丸に変わっただけ。プレッシャーはもちろん感じるけど、まずは自分を表現する。楽しむ。失敗しても反省は後からできる。
Q.失敗が恐くて緊張してしまう。緊張を打ち消す方法はあるか。
A.緊張を打ち消す方法はない。タイトルのかかった決勝戦、日本代表戦は当然緊張する。けど、その場に立てる努力をしてきた自分を誇らしく思える。
今、君は全校生徒の前で発表している。すごく緊張していると思う。自分で手を挙げたことで貴重な経験ができている。それに価値がある。失敗も、間違いもある。けど、行動に起こせたことは尊敬できることなので自信を持てる。質問ができた自分を認めて、自信を持てば、前回より少し緊張しなくなっているはず。
Q.成功のきっかけとなったことは何ですか。
A.環境を変えたこと。自分の課題を自分で見つけて、それを改善していく準備、行動をするようになったことが転機。すぐに大きな結果は出なかったけど、続けていくと、評価されたり、大きな成果を得た。そして、現役を長く続けることができた。
講演を聞いて、やっぱり普段から、J クラブのアカデミーでジュニア、ジュニアユース、ユースの選手と関わっているだけあって、生徒へも問いかけをしながろ参加意識を持たせて、理解につなげる工夫がされていました。
質問コーナーの回答が「模範回答を教える」形ではなくて、何が起きるか分からない中学生の明日、未来のより良い生活を想像させるような内容になっていて深みがありました。
J クラブのアカデミーは今回の講演のような話がミーティングで聞けるのかと思うと、日々の活動が貴重な財産になっていくし、海外に移籍していく選手にJ アカデミー出身者が増えてきたのも納得です。
講演の感想としては、
サッカーの試合で相手にやられること、ミスもある、上手くいかないことばかり。本人落ち込むでしょう。本人は何かしら感じたり、考えたりするでしょう。
その経験を、中学生活の中でうまくいかないこと、友達との関係、日曜のサッカーの試合で疲れて月曜日起きたくないのを起きて学校に行く(我が子3人とも皆勤ですけども)、試験勉強、受験勉強の努力に還元して欲しいと思います。
親としてサッカーだけを望んでいない。
サッカーで育てたことが、学校生活という社会で自己肯定を育んで、それが回ってサッカーしている時に問題解決する気づき、失敗を乗り越える強さに返ってくるもんだと思います。
成功パターンをなぞったワンプレーワンプレーがうまくできる大人が安心するプレーは望んでいない。
ワンプレーがまずくても満足そうな顔して、1試合通してあきらめない人間臭さがみえる見てて面白い選手に育って欲しいです。
なぜ、たー君にサッカーをやらせているのか、ジュニアの時からぼんやりしていたことが、やっと晴れた。