私もそうですが、少年サッカーをする子供を持つ親です。
自分の子供に、アタッカー、パサー、ドリブラー、ストライカーのようなプレーを求めてしまいます。レシーバーの役割を話したことってないです。
攻撃はスピードありきで、速攻で始まり、速攻を加速させる我が子のプレーでフィニッシュまでいってしまうのが、親としては最も満足感が高いのではないでしょうか。
そのプレーに何人の味方が出てきたか。「周りを使え」と一人称で言っても、そのパスで受けた味方は状況を何か変えられるのでしょうか。
速攻の中で1人だけ前を向かないで、一呼吸間を作るようなプレーを繰り返すようであれば、「チャレンジしろ」と、やきもきすることでしょう。
私は個サルで久々にプレーしてみて、レシーバーに徹して、味方が攻撃のスピードに間に合うようにタメを作って時間調整ができるレシーバーがいないと単調でつまらない攻撃になるなと、改めて思いました。
ギャップで受けてコントロールオリエンタードでワンタッチで前を向いてはがす。
これ、一体何の言葉だ?と思いますが、
少年サッカーでは、そんなプレーが求められる風潮がありますが、ワンタッチで前を向くプレーでその時、前に味方が何人いるのでしょうか。
前を向いてそのままぶっちぎることに憧れますが、時と場合によっては賢く見えないなと。
全員がアタッカーなり、ドリブラーなり、パサーを求められていることが多いのかなと。タテポンという用語がありますが、それとは違って、足元でつないでも「行ってこい」がサッカーで、変化をつける賢いプレーって少ないように思います。
速攻の中で1人だけ遅攻にリズムチェンジするプレーを繰り返すようであれば、映えていないよとやきもきすることでしょう。
相手DFの間から間へ、つかみどころがない動きをして狭いスペースでパスを受ける。次の次のプレーをする味方の誰かのためにスペースのギャップを生み出す。
前を向けるところで向かない。そのまま背中を向けたままプレーして、次の次のプレーをする味方の誰かが前向きにボールを持てるようにバックパスを繰り返す。
サイドにフラフラ流れてフリーでパスを受けてスピードアップしない。スローダウンして、味方が上がってくる間を作って、次の次の決定的な仕事をする味方の誰かのために相手DFの予測とのギャップを作る。
レシーバーの仕事って見た目は消極的です。映えません。
けど、味方が使えるスペースと時間にギャップを作って、チームの攻撃に少しの自由をたくさん生み出せると、2人目、3人目に絡んでくる味方は映えるプレーをしやすくなって攻撃の色合いが多くなり、鮮やかで面白いサッカーになります。
イニエスタをどんな選手とみるか?
アタッカーと見る人。パサーと見る人いると思います。
バルサにいた頃、ユーロ2008や南アフリカワールドカップで優勝した時のプレーをリアルタイムで見ていた時、超絶うまい地味なレシーバーだなと私は思っていました。シャビやビジャ、そしてバルサではメッシが映えまくっていました。
ドイツのトーマス・ミュラーを憧れのアタッカーとして目標にする子供って少ないと思います。
私はミュラーもレシーバーだと思います。バイタルだけじゃなくて、ペナルティーエリアの中でもレシーバーができます。ミュラーがバイタルとペナルティエリアでフラフラしているうちに自身も、周りの味方も得点をいつの間にかとっている場面はよく見ます。そして、たくさんのタイトルもつかんでいます。
ヨーロッパも南米も優秀なレシーバーがたくさんいて、クラブでも代表でもチームを勝たせる役割をしています。
私は今までサイドバックをやっているたー君に「(パスを)まず受けろ」と言っていました。パスを受けて出して、受け直して「組み立てろ」と。
パスが出せなくてプレッシャーを受ける時は、「(相手を)かわせ」なんてことも言っていました。
パサーやドリブラーのプレーを前提で話をしていました。まず受けろと言っておいて、受ける効果も、意味も全く的を得ていない間違いな話をしていたなと思います。
パスを受けた後のパスやドリブルばかり要求していたことに気づきます。
映えないように受ける。つかみどころがない受け方。
パスを受けた味方がレシーバーになる映えない縦パス、くさびのパス。
個サルとはいえ、実際にコートに立ってプレーしてみると気づけることってたくさんあります。