運動神経中の下の子が少年サッカーするってよ。

小2からサッカーを始めた運動神経イマイチなたー君(中1)の、ジュニアユースでの自然体なフットボールライフのブログ。

俯瞰の視野はどうすれば手に入る?

 話題の漫画「アオアシ」を見ました。テレビのアニメですけど。

 私はジャイアントキリング派です。

 

 アオアシと言うと俯瞰の視野というのが話題になっていると耳にしたことがあります。

 その昔、マリノスの名プレーヤー木村和司が、引退後に解説の仕事で、スタジアム上段の解説席に座った時に、

 「わしはサッカーやりながらこの風景を見ていた」と言ったそうな、そんな話を昔、サッカー雑誌で読みました。

 この視野を身につける方法として私の考え方は、

 いつ、どこで、どのタイミングで、どこにパスをするのかに慣れる。

 

 これを認知して、判断して、実行するに当てはめることもできるわけですけど、あまりにもひとつひとつの当てはめ方がフンワリしていて抽象的だなと思います。

 

 7つのコーディネーションは、ネットで検索すればすぐ出てきます。

 要素のひとつに、球技で言うと、自分を中心にして、ボール、味方、敵を点で捉えるレーダー能力があります。

 このレーダー能力が俯瞰の視野に当たるとすると、早とちりで、ただ点を確認しただけで、

 

 自分とボールが同調する準備、

 味方と同調する準備、

 敵と同調性を見極める分析、

 

 これらを目で視て情報収集、瞬間瞬間で状況分析、判断、速く決断して動くには、7つのコーディネーションの要素が総合的に相互関係しあっているそうです。

 俯瞰の視野というよりも、ボールと自分、味方と敵の複数点と同調するように状況を、脳の目で捉えるということなんだろうなと思います。

 

 サッカーでは、日本代表になるトップ選手が、「最後は個の強さ」と言ったり、ジュニアでも個の育成がキャッチコピーで並んでいます。

 サッカーはチームプレーの球技であって、タイトルとるのもチームです。試合で勝利して、勝者に個人名が出ることはありません。

 

 娘姉妹がテニスの7つのコーディネーションのトレーニングを受けているのを見ていて、「ハッ」とするのは、個人競技でもあるテニスであっても、球技はなによりもまず同調性が大事だと。

 オシムのサッカーもリアルタイムで何試合も見ましたが、ジェフは圧倒的なスピードとハイテンポの同調性でジュビロや鹿島を上回った、それがサッカーとしてエレガントに見えた。

 昨年見たユーロも、ヨーロッパの代表チームはどこも同調性が高くて、流れるようにサッカーをしていた。

 バルセロナだって同調性だし、個人名がでてきたとしても、シャビが指揮者であれば、イニエスタコンサートマスターで、メッシがソリストのコンチェルトで、ティキタカを奏でていた。

 

 今、思うと、たー君には、ゴールデンエイジの時期に身体操作としての同調性はもちろん球技としての同調性を高めるようなトレーニングに取り組む環境を用意してあげたかったなと後悔しています。

 そうすれば、脳の目で見て味方、敵と同調性を見抜いた状況判断の中で、ドリブルやパスを道具のように使って、アドリブのように見えるプレーもできるようになったのかなと思います。

 

 個の認知・判断・実行だけでは、個々の散発的なぶつ切りのプレーが連続していくだけのサッカーだと容易にイメージできます。

 

 今、日本サッカーを見て思うとどうでしょうか。

 育成は「個の強さだ」と言いながらも、予定調和に感じるプレーを見せる似たような個の選手が多くいるように見えませんか。

 東京オリンピック、6月の4連戦の代表戦後に気づいている日本代表選手は問題提起していますよね。 

 

 1998年にワールドカップ初出場、2002年にワールドカップが開催されて20年経ち、日本は、

 スペインよりも魅力的な同調性あるパスワークを見せられるでしょうか。

 ドイツのように同調した人の動きでボールを前に運びながら、トーマス・ミュラーのようにアドリブの効いたポジショニングでゴールをすることができるでしょうか。

 コスタリカもケイラー・ナバス中心にチームとして堅い同調性で、再度世界を苦しめるんだろうと思います。

 

 

 日本が追い求めているサッカーは、チームプレーで同調した美しさ、強さを見せる魅力から離れていっていませんか。