高校サッカー選手権決勝の前日に↓の記事を書いてしまったので、決勝後も書かないといけないですね。
footballhajimel.hatenablog.com
それで、文章をすっごくたくさん書いたわけですが、伝えたいことが伝えられません。
伝えたいことは↓の井田総監督のコメントに全部書いてあります。
ぜひ読んでください。
0-2からの逆転勝利を生中継で見たサッカーをする子供がいる保護者、子供たちは、その瞬間、瞬間に何か思ったはず。戦術的ロジックにはないフットボールの感性(センス)を感じたはず。
決勝戦の感想を書きます。
決勝戦が始まる前にたー君には、静岡学園の「14番、15番、18番の3人と8番のボールの止め方、持ち方、縦パス、パスを出す間、ドリブルした時のパスかドリブルかのアイデア、をよく見ておきな」と伝えた。
一瞬のインテリジェンスは何回も見返すものじゃない。ひらめきの瞬間、瞬間を感じたままに脳裏に焼きつけて想像力を養ってほしい。
試合は青森山田が前半の早いところで、2-0とする。青森山田が王者の完勝を予感させる。
たー君も静岡学園の方が強い。勝つと予想していたので、意気消沈している。
そんな中、静岡学園の応援席からは、
「おれらのー風を起こそーおー」
と、チャントがしっかりと聞こえてくる。
私もスタンドと同じように静岡学園が一点返して、後半に雰囲気がガラッと変わるなという予感しかなかった。
既にピッチの中にはフットボールの風が漂い始めている。
なぜなら、青森山田はボールを握ろうとしない。ロングボールですぐ離す。
青森山田が強みを発揮しないといけないロングボールの行き先、前線でのFWとDFの競り合いで静岡学園のセンターバックが競り勝つ、セカンドボールの回収で静岡学園がテクニックとインテリジェンスでボールを握る。
こーなるとフィジカルに手はない。
しかも青森山田の浦和レッズに行く10番が、足元のボールの握り合いでことごとく静岡学園の14番、16番の選手にスルスルっと奪われて、いなされる。
ガシャンとなってもフィジカルでこそぎとれるだろうボールが静岡学園の選手の足元に吸い付くように転がっていく。ゴール前でPKを獲得して得点したけど、センターサークル付近ではテクニック、インテリジェンスがフィジカルをいなしている。
後半になると、リトリートする青森山田に対して静岡学園は、「取りに来ないなら後ろでボール回しておくよ」とどっちが勝っているのか分からない状態になる。
そして、歩きながら攻め始める。
たー君がサッカー始めてから自主練習でずっといい続けていること。
歩きながらプレーしよう。歩いているようにボールを止めて、パス、ドリブルが扱えるようになろう。
その基礎技術をテクニックに変換して相手の逆をつく方法は今、目の前で静岡学園の選手達が見せてくれている。
試合観戦しながら普段から思っていることを何度も思いました。
(技術)と(テクニック)はそもそも概念が違うと。
セオリーは完成度で、インテリジェンス、クリエイティブは感性(センス)だと。
剥がすの意味が分からないという記事を過去に書いたが、握るはなんとなく分かる。
ポゼッションはセオリーの中の用語で、握るは感性(センス)で使っている言葉。
セットプレーで逆転した後から終了間際には、フロンターレラビットの大合唱が聞こえてくる。スタジアムの右半分からリズムに合わせて自然と手拍子が起きる。
観戦しながら「うー」とか「あー」とか声を出していたたー君が無言になっている。
心が震えているのが分かる。
何を考えているのかは分からないけど、冒頭の井田総監督のコメントに書いてあるようなことが、たー君のサッカーの解釈に響いてくれていれば、それでいいと思いました。90分見たまま、感性に響いたまま。
私が余計なことを言うことは何もない。
24年前、高校生の頃に初めて静岡学園のサッカーを見て、「自分がやっているサッカーとは別だ」と落ち込んだのですが、憧れも強くなって、どんなことをやっているんだろうかと関心が湧きました。
当時、インターネットなんかないから、サッカー雑誌、週刊誌、新聞に「井田監督」とか「静岡学園」って書いてあれば、「テクニック、インテリジェンスってなんだろう」と片っ端から読み漁ってみて、習得する方法論は今でも全く分からないんですが、考え方や捉え方は少しは分かったのかなという風には思っています。
24年前から影響を受けているので、このブログでも静岡学園のことは少しだけ書いています。↓
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