ボールの蹴り方でよく言われること。
軸足を強く踏みこむ。
膝から下を振る。
力を込めてミートする。
腰を回転する。
蹴って跳ぶ。
蹴り方の概念。日本的蹴り方原論とでも言いますでしょうか。
30年前に私が小学生の時に教えられてたことが、今でも大人から子供に伝えられています。30年も同じであれば固定観念なのか。
私はボールの蹴り方を教える時にこれら原論は口にしません。
その理由は、なぜそうするのかに明確な回答がないから。
納得できる理屈もなく、自分は上手くできたからあなたもやってごらん的な経験則で言っていることが多くて、他人の感覚ゆえにキックの調子が悪くなった時に立ち戻る方法論にならないからです。
そんな私が頼みの綱としている蹴り方は、体のバネの作り方から入って、その「バネの弾いた力をボールに伝える」方法論です。
これとほぼ同じ蹴り方を説明する動画を見つけたのでご紹介します。
ちなみに私が書いた蹴り方の記事は↓
footballhajimel.hatenablog.com
方法論は、動画を見れば百聞は一見に如かずです。
動画で戸狩コーチが蹴り方の5つのポイントを挙げます。
1 ボールの横に軸足を踏み込む。
2 軸足は大きく速く踏み込む。
※股関節から足を前に振り出すために。
3 助走は45度よりも浅い角度で入る。
4 左腕を上げて、右足を振りかぶって全身のバネを作る、使う。
5 足首に近い足の甲でミートする。
戸狩コーチの5つのポイントをなぞらって、私の教え方は
1 踏み込みは、軸足を(ボールの横に)置くだけ。
2 踏み込みは、ワンステップで。
3 助走は、45度よりも浅く、ボールに対して直線をイメージして入る。
4 左腕を上げて、右足を振りかぶって全身のバネを作る、使う。(同じ)
5 足の甲の固いところをボールに当てる
たー君は、3月、4月と蹴り続けてきて、ようやく体のバネを作って伝えられるようになってきました。
1から3まではできるようになってきて、4は左腕を上げるのを忘れることがあります。上半身の引っ張りの動作を忘れて股関節から下だけ振ろうします。
5のボールに当てる点は、私の教え方が悪く足の先の方で蹴ってしまい、球筋の良いボールが安定して蹴れませんでしたが、戸狩コーチを参考にして足首に近い足の甲でミートするように直してもらうと安定的に良い球筋のボールが蹴れるようになってきました。
残りは、左腕をあげて体のバネを引っ張ることをクセにすることです。
動画はプレースキックで強いシュートを打つことにフォーカスを当てているのですが、私はプレー中のキックを前提にして取り組ませています。
プレー中に体のバネを使って優しいボールも、柔らかいフライボールも蹴れます。
強いシュートを打つためだけの蹴り方ではないです。
プレー中の踏み込みなので、ボールに対してワンステップです。
強いボールを蹴る時は強くバチンと弾く。柔らかいボールを蹴りたい時は緩くしなやかにスパンと弾く。
体のバネを使う方法論で、蹴って蹴って蹴りまくった練習の末に、緊張と緩和のバネの張り方の使い分けで緩急長短いろんなボールが蹴れるようになることを、技術だとたー君には言っています。
蹴り方原論で言うところの、
踏み込みの強弱は球威、球種に影響を与えません。踏み込みはきっかけづくりに過ぎない。
蹴り足に力を込めるよりも、「力むな」と、リラックスして素直にバネの弾く力を引き出します。
膝下振る意識は無用で、体のバネの力を股関節から振り出して→膝→足首としならせる意識です。
腰を回転させることも、蹴った後に跳ぶことも必要ありません。
体のバネを弾いた結果、体の自然な動きで腰は反動で回転するし、蹴った後に飛び出すことになります。
蹴り方原論的なやり方にこだわるという方はそのままで良いと思います。
もし、体のバネの力をボールに伝える蹴り方をやってみたい方は動画を参考にして、同じ蹴り方で、まず大人が蹴ってみてください。
体のバネの力の使い方の理屈を、体を動かして実感しながら掴めてくると、まず分かるんです。蹴った時の音の違いが。
お子様と一緒に蹴ってその違いをぜひ共有してください。