しくじり親子練習シリーズです。
前回の続きです。↓前回記事
footballhajimel.hatenablog.com
相手や状況を見て動くのではなくて、自身の未来予測、未来イメージに合わせてプレーする練習というのはないです。思いつきもしません。本人がサッカーの中で養うしかないです。
目標を持って親子練習するなら、たくさんのメニューをやったらダメという反省を踏まえて、メニューは少ない方がいい。
未来予測、未来イメージをたー君自身が養う下ごしらえをするために、サッカー経験者ならではのプレーの記憶から、見せて遊ぶ2つの親子練習をするようになりました。
今回はその1つ目。
ボールタッチ、ドリブルの練習のように見えて実はそうではない練習。
「触らないボールタッチ」でボールコントロールを遊ぶ練習です。
親子練習で、インロール、アウトロール、左右入替、エラシコとかボールタッチの「パターン練習」を反復してたくさんやるというのは多いと思います。
たー君もボールコントロール身につけるために毎日のようにやりました。
少し前からたー君にドリブルの練習だ、フェイントの練習だと言ってやらせているのは、「触らないボールタッチ」です。
練習方法は、
まず、ボールが真っすぐ3mくらいゆっくり転がった先で止まるようにワンタッチしてもらいます。
ボールが転がって止まるまでの間、ボールを触らないでひたすらフェイントをします。
転がっているボールをインシザースでまたいで、ステップ戻しでアウトシザースでまたぐ、誘うステップして戻しをシザース、ボディフェイントして戻しを誘うステップと何でもいいから、ランダムにフェイントをステップワークで連続してつなげていくだけです。
フェイントを巧く速く正確にやることにこだわってないです。その逆でめちゃくちゃにするのが目的です。
これに取り組み始めた頃は、たー君は大体、フェイント3回もつなげると、アウトサイドで直前のフェイントと逆方向へボールタッチしてしまいました。
右にフェイントしたら、次のタッチで左にボールを動かす、「そうやるもの」ということを習い過ぎてしまって固定観念に体が縛られている証拠ですね。
経験者らしく私が見本で意図を伝えます。
ボールに触らないでフェイントを連続するのをやって見せて、「ボールに触らない。フェイントはなんでも良い。遊びだからパターンもない。正解もない。アドリブだよ」と「触らないボールタッチ」で遊ぶことを徹底しました。
ドリブルはボールタッチの連続をしていくわけですが、ボールタッチとボールタッチの間を「触らないボールタッチ」でつなげることを意識させて覚えさせるのでなくて、自然にしたいわけです。
思考して行うボールコントロールを捨てさせる。
ボールを触っていないけど、ドリブルしている。ボールを運んでいる。
「サッカーの試合をたくさんした人」特有の感覚だと思います。
この練習の後は私が抜かれること前提の1対1です。
「相手(私)は見なくていいよ。それで抜いてごらん」
そして、ドリブルのタッチとタッチの間は無理やりでも無意味でも「触らないボールタッチ」(フェイント)でつなぐこと
この練習の1対1は遊びなので失敗も成功も無いです。「触らないボールタッチ」をつなぎながらボールを「運ぶ」ことを自然にするためにやります。
相手を認知して判断するボールコントロールすることを捨てさせる。
ボールを運ぶパターンを捨てさせる。
2週間程度やったら、GOS スクールの1対1で効果が出てきました。
ボールタッチしたり、触らなかったりをつなぐようにフラフラやっていると、緩急がはまったような、逆とりがはまったような感じで、相手DF の両膝がガッと固まって、たー君が歩くように抜く場面が見られるようになりました。
こういう時相手は呆然とした顔しています。
逆に、相手を見て、練習したパターンを考えてというような1対1をする時は簡単にとられます。相手にとっても見慣れた1対1の対応だからだと思います。
チームの試合でも、DF ラインのパス回しでセンターバックでパスを受けた後に(ワンタッチ目の)トラップと(ツータッチ目の)パスの間を無意味な(キックフェイントっぽい)ステップや、シザースでつなぎを入れると、相手FW のプレスがガクッと止まって、相手FW とMF の間を虚をついたようにスパっと縦パスを通してビルドアップを完了させる場面も見られます。
たまに相手FW に詰められて、コーチに「中途半端ダメだぞ!」と激怒されますが。
1つ目の練習で私が目的としているところは、抜けるドリブルを身につけることではありません。
理路整然とパターン化された(認知、判断、実行、止める、蹴る、運ぶ)の反復練習で突き詰めた「見て考えて動く」ことを捨てさせて、「直感」で遊ぶように自然にボールコントロールすることです。
プレーの未来予測、未来イメージを養うために反復で染み込んだパターンをはずす素地作りです。
技術の向上で期待するとすれば、いつでも蹴れる(パス、フィード、クリヤ、シュート)ボールの持ち方を身につける方が当てはまります。
既定路線から外れない、集団の同調した動きの連続は美しいです。
特に大人の目には美しく見えますが・・・
長くなったので、次回は2つめの練習としくじり親子練習のまとめです。