4日目の試合を前に私は、サイドバックの守備のポジショニングを我が家のミーティングボードとしても使われる将棋盤と駒を使って具体的に説明しました。
「いいか。逆サイドが攻められている時は、ペナルティスポット辺りまで絞り込んで、センターバック2枚の形を作るんだ。」
「センターバックがどうしてもボールに引っ張られるから、センターバックに声をかけて真ん中で我慢させて、サイドバック(たー君)も真ん中まで絞って守備ブロックを作る。キーパーと3人で守る。」
「自分のマークだけじゃなくて、味方の名前を呼んでマーク見ろって言うんだぞ。」
「大きい声出せよ」
そして、4日目の試合観戦。
この日は、ママは他のお約束があったので、私ひとりで観戦に行きました。
30℃近い暑さの中、2試合。20分を4本。たー君はサイドバックでフルタイム出場しました。
ピッチの中のたー君は、センターバック、サイドバック、ボランチにマークの指示を出していました。
逆サイドが攻められる時には、真ん中に絞りこんで、センターバックに「ボールにつられるな」と声をかけてゴール前に2人いる状態を作れています。ゴール前がいつもより堅くなっています。
攻撃になればサイドに開いて、ビルドアップの起点、サイドアタックのつなぎ役で、相手に厄介な存在としてプレーしていました。
守備になれば絞り、攻撃になればサイドに開き、攻守の切り替え、ボールの場所が変わる度に連続して走って、暑い中でもそれを繰り返して運動量多くポジショニングを変えていきます。
相手チームの選手、ベンチから「そのサイドバックから目を離すなよ」と声がとんでいました。
観戦していて、「ちゃんとサイドバックじゃないか」と感心しました。
試合後、たー君はチームで行動なので、私は先に帰宅しました。
たー君が帰ってくるなり、「今日は良かったよ!!」と言うと、照れ笑いをしていました。
私はずーっとこういう日を待っていました。ママにはサッカープレーヤーになるきっかけがあって、それがいつなのかは分からないけど、待つしかないと話していました。
4連休の1日目と4日目で、別人のように変わる姿をみて、ここがきっかけになれば良いなと思いました。
「今日だけ良かったじゃだめだぞ。できるんだから繰り返さないとな」
と、たー君に声をかけました。